中沢健平成特撮世代

初恋芸人のあとがき

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この小説は私、作家・中沢健のデビュー作になります。
そして、今回がデビュー作なのにこんなことを言うのは何ですが、この作品は、中沢健の書いた小説の中では異色作でもあります。
どういうことかと言うと、まぁ今回こうして初めて自分の書いた小説が本になりましたが、 この本が出来あがるまでにも、自分は何十作品かの小説を書いていまして、(短編作品も含めるのならば、百作品以上の小説を書いていました)、 それら、僕の実力不足のために世に出してあげることが出来なかった小説たちと並べて見た時、 この初恋芸人という作品は、異色作と言ってもいい、僕らしくない作品だったんですね。
だって、初恋の話なんて、恋愛の話なんて、作家・中沢健はこれまで一切描こうとしてこなかったんですから。
恋とか愛とか、片思いとか両思いとか、キスとかデートとか、そんな物は、まるでこの世には存在しないかのように作家・中沢健は、殺人事件や名探偵、怪獣や妖怪、生と死・・・そういった物を相手にこれまで小説を書いてきました。
だって、作家・中沢健は、恋愛のれの字も知らない男だったから。
女のおの字も知らない男だったから、そんな何も分からない物を題材に小説を描こうなんてこと、思う筈がなかったんですね。
そうなんです。僕は、初恋芸人の主人公である佐藤賢治君と一緒で、女の子のことなんて何も分からないし、女性から特別な感情を抱かれる経験もなく、これまで生きてきました。
佐藤君は著者である僕の分身のような存在なのかも知れません。
そんな僕が、どうして、恋愛を、初恋をテーマに小説を描いたのか?それは佐藤君同様に、僕もある一人の女性と出会ったことが原因でした。

その女性と出会って、僕は「あぁ、女の子というのは、怪獣や殺人事件のようなものなんだなぁ」と思ったのでした。
いや、別に女性はデンジャーな存在なのだと言いたいわけじゃなくて、日常生活の中に突如飛び込んでくる非日常的な物だってことです。
殺人事件や怪獣がダメなら、ドラえもんでも、トトロでも構いません。
とにかく、昨日まで自分の世界に無かった物が急にやってきたことにより巻き起こるエピソード・・・そういった内容の小説なら自分も何度も書いてきたし、女性との出会いを殺人事件みたいな物だと思えば、僕にも恋愛小説が書けるんじゃないか!?  ・・・そんな気持ちから、この初恋芸人は書かれました。
だから、初恋芸人は僕にとっては「恋愛小説」というよりも「空想科学小説」を書いているようなつもりで書いた作品です。

今回はじめて、恋愛や異性をテーマに小説を書いてみて、僕もだんだんと、このテーマにのめり込んでいきました。
殺人事件のトリックを考えるのと同じように、恋愛や異性について考えることにも夢中になってきました。
作家・中沢健が「恋愛」というテーマに初恋をしてしまったのは間違いなく、この作品です。

そして、皆さんも、初恋芸人を読んで、中沢健の書く小説に初恋してくれたら嬉しいです。
デビュー作とか異色作とか言っても、これ一作で終わってしまったら、デビューも異色もないって感じですものね。

佐藤君が市川さんや、みんなとの出会いにより、芸人として生きていく志を見つけたように、僕もこれから作家としての志を持って、、いろんな空想をカタチにしていけたらと思っております。

2009年 11月
中沢健

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